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ノイズ補正スクリプトの効果について比較してみた

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 前回、あぷらなーとさんのノイズ補正ロジック3手法をsiril環境で実行する挑戦に成功しました。 ノイズの多い画像で絶大な効果が確認出来ています。 この最後の方に「私のカメラZV-E10はピクセルマッピングが丁寧に行われていて、ノイズ補正スクリプトの出番が少ない」と書きました。 もうひとつ、追尾エラーが大きすぎて天然ディザリングになっている可能性もあり、余計にノイズが目立たないと思っています。 が、よく考えれば ノイズが少ない上に 散っているから 気付かないだけ であって、存在している はず です。 ということは、その後の デノイズやデコンボリューションへの影響が少なからず出るはずでは? と思いました。 人の目で見て気にならないレベルでも、こういった計算処理において 無視できない可能性 があります。 ということで、ノイズがあまり目立っていない画像に対してどこまで効果があるのかを調べてみます。 今までの処理方法とピクセルマッピング&クールファイル補正法を追加したものを比べてみたいと思います。 なお、いつも使っているDrizzleはMADクリッピングしないと色がおかしくなるので、コスミカットは使っていません。 M8 こないだSEL55210で撮影しましたが、SE102でも撮影しました。 機材:SE102, ZV-E10未改造, QBP, AZ-GTi経緯台モード 条件:ISO1250, 30s露光×270枚 処理:トリミング、SPCC、AI デノイズ&デコンボリューション (object) あり そしてこっちがピクセルマッピング&クールファイル補正版です。 若干の色味に差があるものの、大きな差はありません。 周辺の淡い部分を拡大してみると… 左側今までの処理、右側がピクセルマッピング&クールファイル補正版です。 若干ノイズ感が改善している様に見えます。 差は大きくないものの、想定通り多少は改善が見られるということかな? M20 続いてM20です。 これも、青色が出ると良いなと期待して再度撮影しました。 機材:SE102, ZV-E10未改造, QBP, AZ-GTi経緯台モード 条件:ISO1250, 20s露光×426枚 処理:トリミング、SPCC、AI デノイズ&デコンボリューション (object)あり これをピ...

M16とpythonスクリプト

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  土曜の夜、風呂に入る前に外を見ると完全に曇っていて、撮影を諦めました。 が、風呂から上がってしばらくして、ふと空を見ると綺麗に晴れてる! という事で急遽撮影しました。 狙いは前回ゴミで酷いことになったM16です。 早速リザルトです。 機材:SE102, ZV-E10未改造, QBP, AZ-GTi経緯台モード 条件:ISO1250, 30s露光×179枚 処理:トリミング、SPCC、AI デノイズ&デコンボリューションあり 処理ですが、GraXpert の deconvolution(stellar)は使っていません。 というのも、stellar で処理すると画像の外周ばかりが強烈に補正されてしまいます。 M17の時も悩みましたが、今回は避けようがないくらいに酷かったので採用出来ませんでした。 どうすれば外周だけでなく全体的に補正がかかるのか… 何か良い条件が無いか探ってみたいと思います。 GraXpertの不具合なら逆にありがたいくらい。 また、以前効果が無いと言った deconvolution の object ですが、めっちゃ効果ありました。 創造の柱がクッキリしました。 左がdeconolution(object)なし、右がありです。 意味無いと言ってスイマセン…これからはobjectも使います。 ただ、以前の検討だとこんなに分かりやすい変化は無かったので、何か違いがあるんでしょうね。 ちなみに、objectでも strength を上げすぎるとアーティファクトが出ます。 何事もやりすぎは良くないです。 下は strength = 0.8まで上げたら出てきました。 続いて、前回の最後にちょろっと書いたクールファイル補正法のpythonスクリプトです。 引き続き検討を進めています。 この記事を書いた後、あぷらなーとさんのXの投稿で「星ナビ8月号に ノイズまみれの画像が付いてくる 」 と知る事ができたので、急いで購入して検証を始めてみました。 ノイズまみれの画像が手に入ると分かった瞬間に 猛烈に喜んで しまいました。 で、画像をダウンロードして圧倒的なノイズを見たら、 更に喜んでしまいました w ノイズに喜んでしまうあたり、いい感じにイカれてきた気がしています。 が、やはり実装は思うようにいきません。 ピクセルマッピングを適用した画像にクール...

初めてのスケアリング調整

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  前の投稿 でスケアリングが問題になったので、どれくらい傾いているのか調査から始めます。 何も処理していないraw画像をディベイヤーしてfitsファイルに変換します。 この画像を読み込んで Tool → image analysis → show tilt で下の画像が出てきます。 コンソールに表示される数値の意味は次の通りです。 stars:検出された星の数 Truncated mean:センサー全体で検出された星のFWHMの平均値です。外れ値を取り除くため、トランケート平均が使われています。 Sensor tilt:センサーの傾き。画像四隅のfwhmの最良値と最悪値の差です。括弧内には差の割合が表示されており、これが 10%以上だと調整が奨励 されます。 Off-axis aberration:中心部と周辺部のfwhmの差。コマ収差や像面歪曲を表す指標です。 分かっていたことですが、猛烈に傾いていますね。 調整が奨励される 閾値の 3倍 ですか・・・ 像面歪曲は仕方がありません。F5 格安アクロマートですから。 では、 30%を超えている傾きを10%未満になるまで頑張ります 。 と言いたいところですが、星が出てないと直せないのは厳しいです。 星が出てたら撮影したいのに、素人がスケアリング調整してたら撮影時間無くなっちゃうよ… という事で、星が出てなくてもスケアリングする方法を探りたかったのですが… tomの家の中ではピントを合わせられる直線距離がありません。 集合住宅だと、撮影時だけでなくこういう所も制限が多くなっちゃいますね。 どーすっぺ。 悩んでいる間に、薄曇りながら少しだけ星が見えたのでスケアリング調整にトライしました。 狙いとしては、Tリングマウントアダプターにアルミホイルを挟んでみようと思っています。 さて撮影。 お! 15%まで改善した。 わりと良い感じ?と思ったのも束の間。 ここから迷走が始まります・・・ 調整したアクションと、チルトの結果が全く一致しないんです。 四苦八苦した結果、アルミホイルは思うような効果が出てない事が分かりました。 というのも、 他に支配的な因子が判明 したからです。 ネジを緩めて締め直せば傾きが変わる という、ごく初歩的な問題でした。 そりゃアルミホイルの厚みの約12μmよりも、ブレ幅は大きいでしょうな。 つまり...

M17とフラットと写野回転とスケアリングと。

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 ようやく梅雨が明け、待ちに待った撮影が6/28に出来ました。 結果から先にいきます。 機材:SE102, ZV-E10未改造, QBP, AZ-GTi経緯台モード 条件:ISO1250, 25s露光×298枚 処理:トリミング、SPCC、AI デノイズ&デコンボリューションあり 撮影を始めてから7天体目。 初めて露光時間が2時間を超えました。 撮影よりも処理が難しかったです・・・ tomとしては満足のいく仕上がりになりました。 今回の撮影で試そうと思っていた事が2つあります。 ①撮影時にフラットを撮る 今まで撮影後に ダーク を撮って、 フラット は別日に撮っていました。 今回は撮影後に フラット を撮って、 ダーク を別日に撮りました。 ダークの温度合わせは出来ませんが、光学系は完全に同一なのでフラットは精度が上がるはずです。 どちらの方が良いのか調べていきます。 ②フラット補正時に、-equalize_cfa の有無で差異の確認 tomはQBPフィルターを用いているので、撮影した映像もフラットもRGBが偏っています。 このRGBが偏ったマスターフラットで補正をする場合、 -equlize_cfa でマスターフラットのRGB強度を強制的に均一化させる事で何かしらの影響があるかを確認します。 では①からです。 これはスタッキングが終わった瞬間に結果が分かりました。 上は過去撮影したM42、下は今回撮影したM17です。 M42は露光時間1時間、M17は2時間なので写野回転の影響はM17の方が大きいです。 が、M42にあった円形のカブリがM17ではなくなっています。 明らかにフラットを当日撮影した方が良くなっています。 フラットを当日撮影したデメリットとして、ダークの温度が合わなくなります。 これに加え、夏場の高温でダーク減算が更に合いにくくなるはずです。 …と思っていましたが、過補正や補正不足となっているピクセルが分かりません。 なんでだ…?? 私はAZ-GTiを使っているので、写野回転が発生します。 過補正や補正不足によるノイズは写野回転に伴って同心円状に発生すると考えています。 また、家が鉄筋コンクリートのマンションなのでスマホのコンパスが狂ってしまい、真北が正確に分かりません。 追尾エラーはそこそこ大きいです。 今回の撮影でも、途中で鏡筒の向き...

マルカリアンチェーン、M4

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ようやく記事が実際の日付に追いつきました。 昨日は 久しぶりに晴れて、ほぼ1カ月ぶりの撮影です。 まずはマルカリアンチェーンから。 マンションのベランダからギリギリ撮影出来ました。 機材:SE102, ZV-E10, QBP 条件:ISO1250, 20s露光×118 処理:ダーク減算&フラット補正あり, Bayer Drizzleあり ISOは前回より更に落として1250で。 その代わりに露光時間を20sまで伸ばしました。 本当はもっとスタックしたかったけど、マンションの壁に阻まれました。残念。 フラットがうまく決まってない上に、写野回転がキツくてかなり汚い仕上がりに… 汚いところはクロップしたので写っていません(笑 いちおう狙ったモノは撮れたので及第点です。 フレーミングが課題かな。経緯台だと結構つらい。 次はM4 スタックしてギョッとしました。 機材:SE102, ZV-E10, QBP 条件:ISO1250, 20s露光×120 処理:ダーク減算&フラット補正あり, Bayer Drizzleあり センサーのゴミが多い上に、フラットとゴミの位置が一致してなくて余計に汚くなっている様に見えます。 フラットも撮り直しだなぁ。 というか、望遠鏡をセットするたびにゴミは混入するだろうし、皆さんどうしているんだろう? ひとまずフラットを何とかして、その後で再処理しよう。これも課題だ。 気を取り直して、球状星団なのでGraXpertのAIデコンボリューションの出番です。 3.1.0 rc2で試してみました。 左からオリジナル、star only、object onlyです。 star onlyでは星の像がシャープに引き締まりましたが、星団の中心部がオブジェクトと判定されたのか変化無しです。 違和感が半端じゃないので今回の処理には採用しませんでした。 じゃあ逆に球状星団の中心部はobject onlyで何とかなるのか?と思って処理してみましたが変化無し。 んー?オブジェクトでもないのか?よく分からん。 ま、取り敢えず機能は使える事が分かったし、注意するポイントも分かったのでトライアルとしては十分な収穫。 ちなみに、この後にSirilに戻ると、何故かSirilのGraXpertインターフェースを開くとエラーが出るようになりました。 エラーメッセージを見てみる...

ソンブレロ銀河

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3回目の撮影です。 これも今までと同じく、過去の撮影のものです。 撮影は4月下旬です。 焦点距離500mm程度で銀河なんか写るかなぁ…と不安でしたが、sirilのライブスタックで銀河の形がハッキリと見えたので子供と一緒にテンションMAXになりました。 処理後の画像です。 機材:SE102, ZV-E10, QBP 条件:ISO2500, 10s露光×305 処理:ダーク減算&フラット補正あり, Bayer Drizzleあり 前回の教訓もありISOは控えめにしています。 暗黒帯も写っていて、満足です。 が、露光時間をもっと伸ばせば良かったなと後から反省しています。 Sirilでのライブスタックは本当に不安定です。 撮影ソフトではないので贅沢は言えませんが、何十枚もスタックできることもあれば、3〜4枚スタックしたら落ちてしまう事もあります。 今でも素晴らしいSirilですが、更に安定するといいなと思います。

馬頭星雲&燃える木星雲

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ファーストライトから数日後、また晴れの日が来ました。 という事で今回は馬頭星雲と燃える木星雲です。 (記事を書いているのは6月ですが、撮影は3月です) 前回のバラ星雲でめちゃくちゃ淡かったので、ISO感度を1段上げてトライしてみます。 機材:SE102, ZV-E10, QBP 条件:ISO6400, 10s露光×241 処理:ダーク減算&フラット補正あり, Bayer Drizzleあり, AIデノイズあり これは…淡い… バラ星雲の結果から予想できていましたが、ISOを1段上げても変化無しと言っていいレベルですね。 じゃあ、どのあたりのISO感度がいいのか?という事で、諸先輩方のブログを拝見してみると… 天体写真におけるISO不変性と相反則不軌 ISO不変性 という言葉があるらしい。 極端な白トビや黒つぶれが無い限り、ISOは何で撮影しても結果はあまり変わらないと。 そもそもIRカットフィルター付きのカメラでHαメインの天体を撮影しようとする場合、ISOの小細工は効果が無い事が分かりました。 天体CMOSカメラを買うか、更に膨大な露光時間を稼ぐかくらいしか無さそうです。 とは言えギリギリ馬頭の形も分かるレベルで撮影できてホッとしました。

ファーストライト

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ファーストライトです。 まずは簡単なものをと思って、M42を撮影してみました。 記事を書いているのは6月ですが、撮影は3月中旬ごろにしていました。 撮影時はブログを始めようとは全く思ってなかったので、試行錯誤含めて何の記録も取っていません笑 機材:SE102, ZV-E10, QBP 条件:ISO3200, 10s露光×132 処理:ダーク減算&フラット補正あり, Bayer Drizzleあり、AIデノイズあり 自分が思っていた以上に綺麗に写って大満足でした。 QBPフィルター+未改造のデジカメなので相当シアンが強くなるとは思っていましたが想像以上にシアンがもくもくと… こんな色のオリオン大星雲の画像はなかなか見かけないので、自分だけの写真だと 謎の満足感♪ この日は、そのままバラ星雲まで撮影してみました。 機材:SE102, ZV-E10, QBP 条件:ISO3200, 10s露光×370 処理:ダーク減算&フラット補正あり, Bayer Drizzleあり、AIデノイズあり 370枚もスタックしたのに淡い… 強調しすぎなくらいに処理したのにこの程度でした。 Hαがメインの星雲はデジカメのIRカットフィルターの影響でキツい。 次はISOをもう少し上げて撮影しようかなと思います。

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