初めてのスケアリング調整
前の投稿でスケアリングが問題になったので、どれくらい傾いているのか調査から始めます。
何も処理していないraw画像をディベイヤーしてfitsファイルに変換します。
この画像を読み込んで Tool → image analysis → show tilt で下の画像が出てきます。
コンソールに表示される数値の意味は次の通りです。
stars:検出された星の数
Truncated mean:センサー全体で検出された星のFWHMの平均値です。外れ値を取り除くため、トランケート平均が使われています。
Sensor tilt:センサーの傾き。画像四隅のfwhmの最良値と最悪値の差です。括弧内には差の割合が表示されており、これが10%以上だと調整が奨励されます。
Off-axis aberration:中心部と周辺部のfwhmの差。コマ収差や像面歪曲を表す指標です。
分かっていたことですが、猛烈に傾いていますね。
調整が奨励される閾値の3倍ですか・・・
像面歪曲は仕方がありません。F5 格安アクロマートですから。
では、30%を超えている傾きを10%未満になるまで頑張ります。
と言いたいところですが、星が出てないと直せないのは厳しいです。
星が出てたら撮影したいのに、素人がスケアリング調整してたら撮影時間無くなっちゃうよ…
という事で、星が出てなくてもスケアリングする方法を探りたかったのですが…
tomの家の中ではピントを合わせられる直線距離がありません。
集合住宅だと、撮影時だけでなくこういう所も制限が多くなっちゃいますね。
どーすっぺ。
悩んでいる間に、薄曇りながら少しだけ星が見えたのでスケアリング調整にトライしました。
狙いとしては、Tリングマウントアダプターにアルミホイルを挟んでみようと思っています。
さて撮影。
お! 15%まで改善した。
わりと良い感じ?と思ったのも束の間。
ここから迷走が始まります・・・
調整したアクションと、チルトの結果が全く一致しないんです。
四苦八苦した結果、アルミホイルは思うような効果が出てない事が分かりました。
というのも、他に支配的な因子が判明したからです。
ネジを緩めて締め直せば傾きが変わるという、ごく初歩的な問題でした。
そりゃアルミホイルの厚みの約12μmよりも、ブレ幅は大きいでしょうな。
つまりスケアリング以前の問題で、各パーツが真っ直ぐ接続出来ていないという事です。
毎回望遠鏡を持ち出す毎に傾き具合も変わるので、そりゃ滅茶苦茶になります。
改善のため策を練ります。
tomの望遠鏡は下の様な構成です。
鏡筒 ⇒ 50.8mm/m42変換アダプター ⇒ Tマウントアダプター ⇒ ZV-E10
この中でズレの主要因は、50.8mm/m42変換アダプターをドローチューブに固定する箇所でした。
50.8mm/m42変換アダプターを奥まで差し込むとピントが合いません。
いつも約1cmくらい引き出してセットしています。
奥まで差し込めてないので若干の遊びが発生しており、そのままネジで固定してしまっています。
ここがメインターゲットだと思われます。
手持ちのモノで改善出来そうにないので、延長筒を購入で変換アダプターを奥まで差し込めるようにして様子を見てみたいと思います。
ただ、設置時にある程度ブレてしまうのは人間である以上避けられません。
安定的にセッティングするには、ベテランさんはどうしているんだろう?
片付ける為にバラすと、次に使う時にスケアリング調整もしているのかなぁ…?
最後に、スケアリング調整を諦めてから完全に曇るまでの間、M16を撮影してみました。
フラットが使い回しなのでゴミで星雲がつぶれています。
今回は撮影が目的じゃなかったという言い訳にします。
機材:SE102, ZV-E10, QBP
条件:ISO1250, 30s露光×34枚
処理:トリミング、SPCC、AI デノイズ&デコンボリューションあり
フラットとダークは前回の使い回しの手抜きですし、露光時間も17分ですがギリギリ何とか映りました。
ゴミがひどすぎて写真をアップするかどうか悩んだのですが・・・
今回は望遠鏡のセッティングについて学べたという事でヨシとします。
また今度、晴れたときにしっかり撮りたいですね。
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