備忘録 Siril 1.4.0 操作手順 (加工編)

 

3部作最後の加工編になります。

1部手動前処理編

2部スクリプト編


スクリプト編の終盤にコメントしましたが、加工に関しては勉強中です。


特にストレッチが難しくて、ここ最近はGHSを練習していますが何が正解なのか正直よく分かりません…



まだまだ試行錯誤中なので、tomが使えている( = 素人でも比較的簡単に使える)ツールに重点を絞って進めていきます。



GraXpertのインストール


siril 1.4.0の新機能のため、GraXpertをインストールしておきます。


記事作成時点ではGraXpert 3.1.0 rc2です。

rc版なので、ダウンロードはgithubになります。

このバージョンからAIデコンボリューションが使えます。


ただし、リリース候補版なのでどんな不具合があるか分かりません。

安定版を使いたい場合は、GraXpertのHPからダウンロードします。


Sirilでの設定はゴンカネさんのブログに詳しく載っています。



リニア処理


スタッキングが終わった画像を読み込みます。

画面はほとんど真っ黒のままです。

右下にある「線形」を「自動イコライゼーション」に変えると撮影したものが見えます。


画像の内、必要な所をトリミングします。

(もちろん、画面全体を使う場合は必要ありません)



ここでGraXpert-AI.pyを起動させます。





Background Extractionを選択します。

Smoothingは0.2程度で良いと思います。

また、CUDAを使えるGPUを搭載していないPCの場合は「use GPU acceleration」のチェックを外します。



applyを押せば補正されます。

イマイチであれば戻るボタンで処理を取り消して数値を変更しやり直します。



続いてSPCCを実行します。

siril 1.4.0から導入されたSPCCは、画像の座標データが必須になります。


まず Tools から astrometryをクリックし、その先の「アストロメトリ」をクリックします。


画像パラメータに撮影した天体の名称を入れ、findをクリックします。

するとその下の枠に天体の名称が出てくるので、右下のOKを押します。

このウインドウが消えると座標データが取得できています。

たまに座標データが取得できない事がありますが、そうなった場合はSirilでの座標データ取得は絶望的です。私は解決できた事がありません。


処理を進めてからアストロメトリを実行すると失敗する印象が強いです。

スタック後の出来るだけ早いタイミングで実行すれば成功率が上がります。





座標データが取得できたらSPCCに移ります。
画像処理の色補正から、「spectrophotometric Color Calibration」をクリックします。




開いたウィンドウでセンサータイプをone-shot colorにします。

OSCセンサーはZV-E10ですが、そんな選択肢は無いので適当なセンサーを選びます。
その下のDLSR low pass filterも同じく適当に選びます。

tomはQBPフィルターを使用しているのでnarrowband modeにチェックを入れて、各バンドに数字を入れています。
この数字はサイトロンの商品ページに記載されている表をざっくりこんなものかなという値で入れてみました。



ただし、この方法ではSPCCで色合わせが出来たように見えますが、おそらく偶然色が合った様に見えるだけです。

というのも色合わせの結果として出てくるグラフに相関が無いためです。


解決方法は分かっていません。
私の設定が悪い可能性が高いので、いずれ解決したいと思っています。



この後、GraXpert-AIに戻ります。

Denoisingを選びます。


strengthは0.8くらいにすることが多いです。

ここでもuse GPUのチェックを確認します。


Applyを押すと処理が始まります。

画像サイズにもよりますが、結構時間がかかります。



続いてデコンボリューションです。
これはGraXpert 3.1.0 rc2の機能なので、安定版を使用している場合は使えません。


デコンボリューションはobjectsとstellarがあります。

星雲や銀河等はobjects、星はstellarに使うそうですが、正直objectsは処理前後の差がよく分かりません。


更に stellarを使うと星雲も少し構造が強調されるので何であれstellarでいいと思います。



Strengthは0.2程度、SPFは8程度のから始めることが多いです。

満足がいくまで値を変更しながら調整します。


strengthが大きいと、星の色が変わってしまったり星の半分だけ処理がかかったりと、良くない結果になることが多いです。

控えめにするのが良いと思います。


これでリニア処理が終わりです。


ノンリニア処理


ここからストレッチに入ります。

GHSは難しいので、ヒストグラム変換で頑張ります。


写真の中で大きめの輝星にマウスを合わせ、右下に表示されているRGBの値を調べます。


一番RGBの数字が大きくなる所を探して、この値の内で1番小さい値を覚えておきます。

上の画像だとGの24.619%です。


ここで「自動イコライゼーション」を「線形」に戻します。


ヒストグラム変換の画面を開きます。


歯車マークを押し、highlightsに先ほど覚えた数字を入力します。

先ほど覚えた数字は24.619%ですが、ここでは0.24619になります(なお、下二桁くらいは切り捨てて大丈夫です)


すると、猛烈に強調された画像になります。


midtonesを適当に大きくします。この画像だと5倍程度の0.001にしました。


あとはshadowsとmidtonesの値を満足するまで調整します。


ポイントとしてはshadowsを上げれば上げるほど背景が暗くなりますが、やりすぎると暗いデータを削ってしまっています。

tomはshadow側のclipが1%そこそこくらいまでを上限にしています。


で、このヒストグラムを見ると分かる通り、Rのピークだけが左にずれています。

画像的にももう少し赤成分が欲しいので、赤だけを強調します。


緑と青の丸をクリックしてチェックを外し、midtonesを少し小さくします。

そうするとピークの山が右に動くので、GとBの山に重なるくらいの位置に調整し適用をクリックします。



tomは基本的にここで完成とし、jpgに保存しています。



Sirilにはもっと沢山の機能があり、まだまだ使いこなせていません。


のんびり勉強していこうと思っています。



いろいろ使いこなせる様になったら、今回みたいに投稿したいと思います。




これを書いている最中に、Siril 1.4.0 beta3のアップデートが配信されました。


どんどん改良されるので楽しみが尽きませんね。


いつかはSirilのpython scriptを自作してみたいもんです。

最近はAIでコーディング出来るので、言語を知らなくても作れてしまう所が本当に良いですね。

自分の思いついた処理を実装する事のハードルが大きく下がっています。


追加したい機能が見つかれば挑戦してみたいと思います。


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