Sirilでの処理の比較
今回は、画像処理時に気になっている処理の効果を確認していきます。
確認項目は次の3つです。
①マスターフラットの作成について
Sirilでは、マスターフラットはバイアスを引いて作成するようにと記載があります。
今まではそれに従っていましたが、色々なブログを探してみるとフラットにもダークノイズが乗っているとのこと。
ノイズが乗っているなら、フラットダークを撮影して減算しておくべきという話です。
ただし、フラットダークの効果があるかどうかはブログによって異なっていました。
私の環境で効果があるか分からないので、自分で評価して自分なりに確認をしようと思います。
②スタック時の重み付け
sirilにはスタックする時のオプションとして、重み付けができます。
その中でもfwhmに従って重み付けをするという選択肢があります。
何故気になったかというと、私は機材が無いのでガイドを一切していません。
更に、マンション4階のベランダなので自分たち(or 他の住人)が部屋の中を歩くだけでも僅かな揺れが発生しているはずです。
そんな揺れのある場所でガイドしてもしょうがないし、金もないしで、今後もガイドするつもりはありません。
そこで、fwhmが大きいものの重みを下げて、画質の悪化を防ぎつつスタック枚数を稼ぐという戦略です。
とても理にかなっている様に思えるで比較してみます。
③MAD clipの再確認
少し前にMAD clipを試してみましたが、処理の内容や値を合わせられていませんでした。
今回は、処理を揃えて差異を確認します。
処理はトリミング後に
GraXpertのAI-background extraction(smoothing=0.2)
SPCC
GraXpert のAI-denose(Strength=0.8)
ストレッチ(ヒストグラム変換で4画像とも同じ値)
の順で仕上げました。
画像の並び順は、左上元画像、右上①フラットダーク、左下②wfwhm、右下③MAD clipです。
まず全体から。
まず目についたのは、全部の画像で背景に赤いノイズがありますが、右下の③MAD clipだけ明らかに赤いノイズが少ないです。
写真の右上部分の拡大です。
こっちもMAD clipとそれ以外という印象です。
今回のテストでは、①フラットダークと②wfwhmは素人目で分かるほどの変化がありませんでした。
③のMAD clipに関しては背景の赤いノイズが低減しているのが確認できました。
Siril documentationにも「CFAでDrizzleを使う場合はMAD clip奨励」と書いてあったので、それが確認できたかなと思います。
MAD clipは私の処理のスタンダードとして採用しようと思います。
フラットダークは、処理で消しきれない何かが出てきたら、もう一度検討する事にするかな…
後述しますが、正直フラットダークを撮るとライトフレームにかけられる時間が本当に少なくなってしまう為です。
効果がよく分からないレベルなら、今の所はライトフレームの撮影に時間を割くべきかなと思います。
wfwhmはscriptに書くだけなので手間にならないし採用の予定です。
またそのうち、多数枚スタックする事があれば有無による影響を調査したいと思います。
ちなみに、今回の検証には3月に撮影した写真に、先日追加で撮ったフラットで処理したので、フラットはあっていません。
というのも、デジカメなのでダークフレーム撮影時の温度をライトフレームに合わせるには当日撮影するしかありません(それでも撮影前半と後半ではセンサーの温度も違うので、綺麗に合わせるのは不可能ですが)。
が、ライトフレーム、ダークフレーム、フラットフレームを全部撮影しようとすると、バッテリーが持たないのでライトフレームにかけられる時間が無いんです。
なので渋々ライトとダークを同じタイミングで撮影し、フラットが合わないのを承知で別日に撮影していました。
次の撮影では逆にフラットをライトと同じ日に撮影し、ダークを別日でトライしてみようと思います。
どうせダークは完璧に合わせられないのが分かっているので、フラットだけでも合わせる方向でやってみたいと思います。
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