Sirilを更に邪悪に。
今回もあぷらなーとさんの処理ロジックをSirilで実行してみます。
試すのはハイパーイーブンオッド法です!
試すのはハイパーイーブンオッド法です!
ロジックの詳細はあぷらなーとさんの記事で。
人生初の星ぐる写真
今年の3月に天体撮影を始めたので、星ぐる写真も撮ったことがありません。
という事でまずは試しに撮影してみました。
機材:ZV-E10、SELP1650 焦点距離16mm F6.5
まぁなんというか、とりあえずロジックを試せれば良いやという感じでテキトーに撮りました。
光害は甚大ですが、案外映るもんですね笑
ただ、Siril 1.4.0-beta3で比較明合成が出来ない。
memory allocation error が発生して比較明合成が動きません。メモリの割当量を空きメモリの半分くらいに設定してもダメ。
こんな基本的な処理がなんで出来ないんだ!と不思議に思っていたのですが…
すっかり忘れていましいたが、今使っているのはbeta版だった!
という事でSiril 1.2.6 Portable版をダウンロードして上の処理を行いました。
いやー、何の問題もなく色々処理してくれるのでbeta3だという事を完全に忘れていました。
そりゃ不具合もあるよね。
まずは手動でイーブンオッドを試す
今回の処理はSirilの機能で実現可能だと思っているので、ひとまず手動で処理してみます。順序は下の通り。
①撮影データをイーブン群とオッド群に分ける
②それぞれの群を比較明合成する
③比較明合成したものを加算合成する
④最大輝度値データと比較暗合成する
①以外は全部Sirilの標準機能で出来ると思うので、ひとまず手動でやってみます。
左が普通の比較明合成、左がイーブンオッド法です(≠ハイパー)
輝度の低い星が途切れる現象が見事に改善できています。
ひとまずイーブンオッドはクリア。
が、ここから「ハイパー」にするために比較暗合成で処理が必要ですが、できません。
1.4.0-beta3でも、1.2.6でも、実行した瞬間にSirilがクラッシュしてしまいます。
これはダメだ…
これはダメだ…
pythonまで使わなくても単純なスクリプトで実行可能なハズだったのに、結局pythonスクリプトで処理しなければならないという事になりました。
スクリプト作成
先日、chatGPTが5にアップデートしたという記事を見たので、Gemini 2.5pro とchatGPTを初期プロンプトを同じにしてコード生成能力を比較してみました。今までのスクリプトで絶大な能力を発揮していたGemini 2.5proですが、比較明合成した結果がファイルに出力できないという謎現象が発生。
これの改善が出来ません。
代わりにchatGPTは数回のエラー修正でスクリプト完成。
これは素晴らしい。
ただし、プロンプトが多少あいまいでも察してくれるGeminiに対して、chatGPTは正確に記載しないとダメな印象がします。
ひとまずこれでスクリプトは完成したはず。
ただし、撮影していた写真でサチっている輝星がありませんでした…
という事で撮り直しです。
ハイパーイーブンオッド法は出来ていたか?
早速スクリプトの結果です。
左が比較明合成、中がイーブンオッド法、右がハイパーイーブンオッド法です。
比較明合成の暗い星の途切れ、イーブンオッド法の輝星の過補正を克服できました!
なお、Sirilの標準機能でイーブンオッド法を実行した場合、加算合成の際にノーマライズが強制的に入って保存されます。
なので、加算合成した際にfloat32の上限値を超えた場合、ノーマライズにより全体的に暗くされてしまいます。
真ん中の写真の輝星がやたらと暗いのはその影響です。
最初はSiril標準の機能を駆使しようと思っていましたが、比較暗合成でクラッシュするのでハイパーイーブンオッド法は実現が困難ですし、加算合成の仕様によりイーブンオッド法も適していません。
という事で今回もpythonスクリプトが必須だったという事が分かりました。
撮影での反省
ただ、「検証の為」に取り直したという意味では撮影は失敗でした。
焦点距離を16mm→55mmに変更して試してみたのが災いしました。
というのも、輝星が加算合成で更に明るくなったところが少なかったうえに、暗い星はハイパーでも極僅かに途切れてしまうように見えてしまっています。
焦点距離を伸ばしたので、カメラの撮影の最短デッドタイムである1秒間で「見かけ上」星が動く距離が増えてしまったと想像しています。
実験計画が重要ですね・・・
専門が化学なので実験は大好きですが、実験計画を練るのは結構苦手です。
浅い考えで失敗していた記憶が多いです。
天候に左右されて撮影タイミングすら満足に与えられないので、「やりたいことに沿った撮影ができないと良くないよなぁ」としみじみ思いました。
更に光害がひどすぎて「検討用の写真」にしかなっていないのも痛い。
思いっきり暗い場所で撮影したいものです。
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