Sirilでクールファイル補正法を試す

前回の課題のフラットはちょっと放置して、ずっと気になっていたことをトライしてみようと思います。

下の画像は、ほとんど何も写ってない所なので真っ黒になって欲しいですが、カラフルなノイズがうじゃうじゃしています。

当初、これはショットノイズと思っていましたが、100枚〜300枚スタッキングしても、ダーク減算をかけても全く消えません。

ISO感度を落としても全く効果がありませんでした。


いろんな人の写真を覗いてみると、未改造のデジカメで撮影してもこんなノイズは存在していない事が多いです。

という事はtomの画像も処理次第で何とか出来るかも?と考えました。


まずは諸先輩方のブログ徘徊から…

『クールファイル』補正でM31を再処理してみる : あぷらなーと

縮緬ノイズ、三つたび現る! クールファイル補正法で解決できました - 天文はかせ幕下


モノクロカメラだと縮緬ノイズになりますが、カラーカメラだと色の欠損として出てくるらしい。

もしこれで解決するなら素晴らしい。早速トライしてみます。


ただし、ステライメージやPixinsightなんて有料ソフトものは持っていません。

FlatAidePROも800万画素以下なら無料との事ですが、ZV-E10は2400万画素・・・


早速行き詰りました。


んー…無いなら作ればいいか。

という事でSirilでクールファイル補正法を試してみます!


手順のおさらい。


①元画像にダークとフラット補正を加えた後、位置合わせなしでコンポジットする。
画像を複製して2枚にし、一方にクールピクセル除去フィルタをかける。

②クールピクセル除去フィルタをかけた画像から、フィルタをかける前の画像を減算処理する。(処理後の画像をクールファイルを呼ぶ)

③クールファイルを元の画像(1コマデータ各々)に単純加算処理する。

④ ③の画像を位置合わせありでコンポジットする。



ではまず①から。

ダーク&フラット補正してコンポジットは問題なくクリア。

ファイルを複製し、一方にクールピクセルをかけ…る…?

Sirilのクールピクセル除去は単独で出来ず、ダーク&フラット補正の時に同時に行うしかありません(たぶん)。

さてどうするか。


ダーク&フラット補正してコンポジットした画像と、ダーク&フラット補正時にクールピクセル除去してコンポジットした画像をそれぞれ作ってみました。

キャリブレーションの時にdarkとflatにチェックを入れ、cosmetic correctionのチェックを外します。


コンポジットは加算平均でnormalizationは無し、その他もほとんどnoneにしたりチェックを外しています。

(処理的にこれかな?と想像してやっています)


クールピクセル除去ありはキャリブレーションの所でcosmetic correctionにチェックを入れます。

保存するときの名前は変えとかないと上書きされるので注意。

これで①が完了したはず。


続いて②です。

減算処理なのでダーク減算を①で作った2画像で行う感じかな?

ただし、キャリブレーションの画面に進んでも減算処理する画像の選択に困ります。

クールピクセル除去を行った画像を①-a、行ってない画像を①-bとすると、上のキャリブレーションの「Dark」の欄に①-bをセットします。


では①-aはどこにセットすればよいのか?


これは結構悩みましたが、画面左上の「開く」から①-aの画像を開けばOKでした。

これでダーク減算を利用して処理した画像の拡大が下の通り。

白い点が無数にあり、クールファイルっぽい雰囲気がしています♪

テンションも徐々に上がっています。


③に進みます。

個々のライトフレームに②で作ったクールファイルを加算します。


加算といえば「重ね合わせ」のタブしか思い浮かびませんが、ここは複数あるライトフレームを1枚に重ね合わせる処理です。

各々のライトフレームに対してクールファイルを加算する処理ではありません。


さて困った…



多数の画像を処理するには向いていませんが、元画像(ダーク&フラット補正済)とクールファイルを読み込ませて加算合成すると言う操作を、全画像に対して1枚ずつ手動で行いました。

たかだか20枚でも超めんどいので実用性ゼロです。


これでクールファイル補正法が適用できたハズ。

効果のほどは…?


左がクールファイル補正あり、右が補正なしです。

なーんにも変わらない…💦



少し冷静になって考えます。


・処理にミスがあった


sirilに合わせて勝手に想像して処理方法を決めたので、何か致命的なミスを起こしていた可能性は十分にあります。

また、全部手動なのでファイルの取り違え等も可能性として残っています。



・そもそも今回消したかったノイズはクールファイル補正法で消せるものではない


もう一度教科書(あぷらなーとさんのブログ)をよく読んでみると「マゼンタやシアンで横に伸びた不愉快なノイズが改善できる」と書いてありました。


問題のノイズをよく見てみると、横に伸びておらず点がうじゃうじゃ発生しています。

ということは、今回改善しようとしていたノイズはクールファイル補正では改善出来ない可能性が高いですね。しっかり教科書を読んでおけばよかった…


完全に早とちりというオチです。



オチはともかく、今回はsirilでクールファイル補正法を試してみました。

結果はクールファイル補正法を正しくsirilで実行できたかどうかも判別できていないので、収穫としてはイマイチです。


ですが、それっぽい処理が出来そうだという所までは素人ながら近づけたのかなと思います。コールドピクセル起因のノイズが発生した時に再トライしたいです。


問題としては、③の処理は各ライトフレーム毎に手動で加算処理しないといけないので、多数枚コンポジットには向いていません。

scriptで自動化しようにも、この類いの処理は難しそうです(素人なので勘違いかもしれませんが)。


Python scriptが1.4.0から導入されたので、これなら何とか出来ないかなと期待しています。

今のうちにpython scriptの勉強をしとこう…


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